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11話-1 離れては月を見上げて。

مؤلف: 空野瑠理子
last update تاريخ النشر: 2026-05-16 20:25:51

* * *

「よくぞ無事に戻った、ルファル、リゼル。そして……リリシア」

――夜。神聖な会議室の上座から全てを見透かすような、涼やかで気品に満ちた声が降ってくる。

清廉な空気が満ちる会議室の床に、リリシアはルファル達の後ろで跪き、深く頭を垂れていた。

久方ぶりにお目にかかるシャイン皇帝の、どこか浮世離れした美しさと圧倒的な威厳。リリシアは思わず、そのお姿に一瞬だけ目を奪われてしまう。

自分のような身分の者が、こうして直にお声を掛けられていること自体、未だに夢のようだった。

――汽車が帝都の駅へ到着したのは、ほんの少し前のことだ。

一刻も早く今回の任務を報告する為、邸宅に戻って旅の疲れを癒やす間もなく、馬車に揺られて急ぎ宮殿へと向かった。

されど幸運にも宮殿入りした際に公務を終えて側近と共に廊下を歩まれていたシャイン皇帝と会う事が出来、こうして緊迫した空気の中、緊急の神魔会議が開かれる運びとなったのである。

会議室の中央に据えられた円卓の席には、シャイン皇帝を取り囲むようにして、エルシー、アルベルト、ハノ、テオが高貴な背もたれの高い椅子に深く腰掛け、静かにこちらを見守っている。

「シャ
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    * * *わたしは月に嫌われている。そう思っていたのに。透き通る白月が見える春空が広がる中、シャイン皇帝達に暖かく出発を見送られ、間もなくの時を経て。婚礼パレードの開幕を告げる高らかな音が鳴り響き、華やかな帝都の街で民達からの祝福の声が次々と上がる。「ほら見て、ラルファル皇子殿下とリリシア皇子妃がいらっしゃったわ!」「なんてお似合いなおふたりなの!」「ラルファル殿下、リリシア妃、ご結婚おめでとうございます!」「これからもずっとおふたりが幸せで満ちますように!」横に参列する民達から感嘆の声が上がる中、リリシアとルファルは優しく穏やかに微笑み、高貴な白馬4頭立ての馬車から民達へ向けて手を振る。そんな中、ふと視線を向けたその先に、見慣れたふたりの面影を見つけ、胸がきゅっと締め付けられる。それは紛れもなく、リリシアの両親――ミアとエバートの姿だった。「……お父さま、お母さま」リリシアの唇から誰にも届かない程の小さな呟きが零れ落ちる。わたしの為に、来て下さったの?「……本当は許可したくなかったが、ユエリアに頼み込まれてな」呟きはルファルには届いていたようで。ルファルは一瞬、不服な顔を浮かべながら囁く。そうしたルファルとユエリアの優しい計らいに、リリシアの瞳から大粒の涙が零れ落ちる。けれど、隣から大きな手が伸びてきて、リリシアの手を優しく握る。その瞬間、わっと沸き立つ大歓声と盛大な拍手が湧き上がり、ルファルがこれまで見たこともない程に柔らかく微笑みかけてくる。愛している。優しい微笑みと握られた温かな手からその言葉が伝わってくる。わたしも愛しております。リリシアもそう伝わるように、優しく微笑み返す。そうして、ようやく実感する。リリシア・フェリカディアに、ルファルだけの花嫁、妻になったと。愛して、愛されて。ルファルの幸せな花嫁として、これからもずっと、生きていくのだと――。

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